土地を決める。

Sさんがオモシロイ土地を紹介してくれた。
それは結構前に話に出ていて、一目見て

『絶対、嫌。』
とTちゃんに瞬殺で断わった土地。

そこは旧街道とはいえ車がびゅんびゅん走る道路に面しているうえに
田舎で歩道が狭いので、家の敷地から一歩出るとすぐ車道。

Tちゃんも私も今まで街道沿いに住んだことがないので騒音に免疫がないし、
昼間家で仕事をしている私にとってはとてもツライ。

しかも、その土地はやたらと横に長く奥行きが狭い。狭すぎる。
だから、『街道沿いだけど家は奥にひっこんでるんです』ってことにはならない。

たしかに道路に面しているから、トレーラーは確実に入れるし出すこともできる。
（入れたものの、付近に家が建つなどすると最悪その場で解体して出すこともあるらしい）

前に経験した『あー！横が入らない…』ってこともない。

ただそこが魅力的なのは、かなり安い。
付近に家があるから上水も下水も通ってる。
それはSさんの身内の土地らしく、公に売られている土地ではなかった。

身内の土地まで持ってきてくれたんですか！本当すみません…！
という気持ちはあったけれど、
あったけれどー………街道沿いかよー……

こんな安い土地もう出てこないと頭ではわかっていても
思い描いていた暮らしと現実にどうしても折り合いがつけられず
ずるずる時間だけが過ぎて行き、その間も他の土地を紹介してもらったりしていた。

自分の感覚がわからず、友達に見てもらったり両親に見てもらったりして意見を聞いた。
母は『まぁいいんじゃない？だって遊びでしょ？』とあっさり言い、
『あぁそうだった。遊びだもんな。一生住むわけじゃないし…』
と何となく自分も納得し始めていたし、Tちゃんはすでに割り切っていて
私をいかに説得するかを考えていたらしい。

もうここにしてしまおう。