さようなら。ワーゲンバス
我が家には3台の車がある。
- TちゃんのタイプⅡ。
- 昔Tちゃんが乗っていて、私が譲り受けたルノー4。
- すぐに走り出せて、なんて快適!タント。
『足用に現代車を買ったほうがいいよ』と言われてもピンとこなくて
ずっと旧車のみの生活だったけれど、家族のこと、自分たちの生活のことを
色々考えて、軽自動車を、それもなるべく広くて他の人が楽に乗れて、
特に両親が乗っていて恥ずかしいと思わないだろうと思う車を買った。
今も名古屋に住んでいた時も、1台分しか駐車場を借りられなくて
常にバスかキャトルはTちゃんの実家に預けていたし、
乗らないのに維持費も馬鹿にならない。
車が3台になる前からキャトルとバス、どちらかを一時的に切る話が
持ち上がっていて、結局バスを切ることになった。
『(引越先が)海沿いだから潮風で錆びるし、
一時的に切った方が復活させる時も安いか同じくらい』
ということがざっと計算して解ったらしい。
(けど、あまり乗らないくせにバスよりキャトルが好きな私のことを
考えてそうしてくれたのかもしれない)
そのため、バスはTちゃんの実家で数年眠ることになった。
購入したバスは当初ツートンだった。
シートも内装も水色なので、 色はドープブルーにすることに。
お願いしまーす! かっこよくなって戻ってきてね!
…待つこと数ヶ月。
ま、眩し〜〜〜〜〜!!!
全然トープブルーじゃないし!
青じゃないですか?これは絵の具の“あお”ですね。
いや、青看の“あお”か…
どうでもいいけどこんなのドープブルーじゃないわー!(怒)
『いいねー』という言葉がどうしても口から出てこず、
『(いろんな意味で)すごーい』と連呼する私。
もちろんやり直してくれるわけないので、ピカピカの青い子を
連れて帰ることになった。
それからも不具合が頻発し、入退院を繰り返していたので
1年ほどは駐車場で見かけない日が続いた。
『店変えようよ』と何度言っても、波風立てるのが嫌いなTちゃんは
なぜか店を変えようとしなかったけれど、ついに諦めて他のところに
点々と見せるようになり、Tちゃんは段々とさわれるようになってきた。
多少の不具合はTちゃんがどうにかした。
旅行先でもよくレッカーされたけれど、前にも来てくれた人が来ることもあって、 ロードサービスのお兄さんたちの話は面白いので結構楽しかった。
以前働いていた職場で出会った元バス乗りの夫婦。
歳は20歳ほど離れているけどそれを全然感じない。
遊びに行く度に、旦那さんがTちゃんに整備の仕方を教えてくれた。
そして家に転がっている部品をタダでくれたりした。本当に優しい。
この夫婦も復活を待つバスが自宅(近くの駐車場)に眠っている。
走行中に不振な音が出てくれば、Tちゃんは焦りと不安で段々機嫌が悪くなり、
何もできない私は気まずくて車内はいつも変な空気になった。
道路でワーゲンバスとすれ違うとプップーとクラクションを鳴らしてくれて、
全然知らない人同士で手を振った。
イベントに行って初めて小っさく雑誌に載った時は大はしゃぎ。
ミッションをおろした時は、一気に懐がさみしくなった。
バスのおかげで気持ちが豊かになり、本当に楽しい生活が送れていたと思う。
『あいつ本当に青いな』と言っていたボディーも段々可愛く見えてきていた。
それでもお金には変えられない…
元バス乗り夫婦も『後戻りできないくらいバスにつぎ込んだ』とよく言っていた。
封印をとってナンバーを外す。
無保険中に、少し動かそうと出掛けたスーパーの駐車場で、
ぶつけられてへこんだナンバー。
無保険でも闘い方を知れば10対0にできると勉強になった出来事だった。
陸運局へ行ってナンバーは自分で機械に入れる。
一時抹消の手続きは350円で、引越しなどをして 車検証に変更があればプラス350円を払う。
その他に書類費に25円が何度かかかり、『○番に行ってください』と言われ
それは隣の社屋だったり、またそこから元の社屋に戻されたり。
何かすごく、かなり効率が悪い。
戻ってくる分の自動車税は、小切手のようなもので自宅に届くらしい。
復活させる時は今日の書類が必要なので、大事に取っておいてよとおじさんが言っていた。
しばしのお別れ。(と言っても実家にはいる)